2010年12月21日火曜日

A total lunar eclipse

 夜空に向かってカメラを構えるのも久しぶりなら、ミラーレンズを持ち出すのも久しぶりでした。ふたご座の流星群の極大の時は曇り空でしたから…。
 でも今回の皆既月食、バンフでは真夜中過ぎに始まりましたから月は天高く、カメラを向けるのがなかなか大変です。幸い空は晴れわたり絶好のコンディションでした。
 皆既月食は日食と違って、地球の大気の層を通る光のおかげで月が完全に消えてしまうわけではありません。うっすらと赤くなった皆既状態の月はとても神秘的で少し不気味です。
オリオン座やおうし座のアルデバラン、すばるなどがきれいでした。残念ながら、寒さのせいであまり他の星を撮る余裕がありませんでしたけど。
 冬の澄んだ空気は星空を見るのに都合は良いですが、とにかく寒いですね。オーロラ鑑賞並みの防寒具でも用意しないと…。

2010年12月8日水曜日

不苦労探検隊

フクロウ探しの第二弾、今回のメンバーは“カル”姉御、リュージュの似合う?“3”嬢、そして私の3人。急に日本行きが決まったフクロウ好きの“3”嬢の為に探検隊が召集されました。今回はあえてフクロウではなく、“不苦労”です。
 後光が差しております。
 相変わらずパワフルな二人、マシンガントークはとどまるところを知らず、カルガリーまでの道のりの短いこと…。
 まずは、スズメフクロウを求めて、Bebo Grove から。話に夢中でどこに連れてこられたのかもわからないままの二人と共にネイチャーウォーク開始。期待していたスズメフクロウやキツツキたちは見られず…。それでも手のひらにまでやってくるアメリカコガラ(Black-capped Chickadee)がかわいかったですね。
 コガラ(小雀)、“スズメ”という字で“カラ”とは、“クラ”などと同じ鳥類をあらわす語なのだそうです。
 実はシロフクロウは多分見られるだろう…と高を括っておりました。余裕をみせてのネイチャーウォークだったのです。

 前回同様、南の方からシロフクロウを探しに行きます。ところが今日はなかなか姿を現せてくれません。
ハマヒバリ(Horned Lark)、ヨーロッパヤマウズラ(Gray Partridge)などの姿は見られるものの肝心のフクロウさんが姿を見せてくれません。昨シーズンからかなりの確率でフクロウを見つけていた私は久しぶりの“ボウズ”の予感に愕然としました。 途中、ケアシノスリ(Rough-legged Hawk)の姿を見つけました。この若鳥はなかなかサービス精神旺盛のようで、すぐ近くで飛翔を見せてくれましたし、あまり遠くに行かずに撮影させてくれました。 一回りして戻っても近くにまだ止まってました。クロップしてます。
 お昼の時間を大分過ぎてもシロフクロウは見つけられず、車を走らせながら、お弁当を食べながら、探し続けます。データ上の重点地域を走るも姿が見られません。日が傾くにつれて集中力が落ちてきます。
 尾の長い鳥が路肩に降りていきます。(カササギ Magpie じゃないよ。) キジ(Ring-necked Pheasant)が姿を見せてくれました。デジタルズーム40倍、ちょっとクロップして構図を整えました。 他にアナグマ(Badger)がうろつく姿も見られました。結構長いこと住んでますが、初めて見ました。

 そして肝心のフクロウは…、今回はこれで許してもらいましょう。
 総走行距離、510km。自然を相手に確実に…はないなぁ。やっぱり。

 帰宅後の奥様のやさしい一言。「羽がはえてるからねぇ~。」

2010年11月25日木曜日

フクロウ探検隊 '10-'11 その1、まずはひとりで…

雪が降ったとたんに寒波です。バンフは -35℃まで下がってました。BC州では記録的な寒波らしいですね。
 寒波とはいえ、外はこれ以上はないという晴天です。そろそろ"鳥のブログ"にシロフクロウの出没情報が載り始めていることですし、ここはやはり行くか!仕事も暇なことだし…。 今シーズン初の"フクロウ探し"にお出かけです。ついでにカルガリーでお買い物も…。
 とりあえず通りがかりにオーガニックのベーカリーカフェでお買い物、ここのアップルタルトがうまいんだなぁ。
 …フクロウ探しのコツ その1、気合を入れすぎないこと。


 まずは Bebo Grove でスズメフクロウ(Northern Pygmy-owl)探しから。昨日よりはましとはいえ -20℃を下回る温度の中、歩いてみます。さすがに訪れる人も少ないようです。
 シロトウヒの林ではいきなりエリマキライチョウ(Ruffed Grouse)の登場です。木の実を食べてました。幸先よいスタートです。 アメリカヤマナラシの林からは樹をつつく音が聞こえます。セジロアカゲラ(Hairy Woodpecker)が3羽ほど姿を見せてくれました。頭上にやって来たキツツキ。雪が落ちてきました。 沢(Fish Creek)沿いに遊歩道が整備されていて、快適に歩けます。スノーシューやクロスカントリースキーの跡がありました。コヨーテとシカ(多分ミュールディア)の足跡もたくさんありましたよ。 ここでのスズメフクロウ探しは連敗中です。目撃情報をもとに探しに来るのですが、いっつも見られません。あきらめかけて戻り始めると、遠くの方を飛ぶ鳥が見えました。始めはキツツキかと思ったのですが、トウヒの天辺に止まった鳥はまぎれもなくスズメフクロウでした。
 惜しいかな、距離が遠くて…、しかもわずかな時間で飛び立って林に入ってしまったので画像に残すことができませんでした。
 …フクロウ探しのコツ その2、あきらめないこと。


 次はもっと近くで見られることを期待しつつ、場所をかえてシロフクロウを探しに行きます。
…とその前にせっかくカルガリーの南の方にやってきたので、ワイン屋さんとチーズ屋さんによっていきます。…その1、その1。

 カルガリーの南ではケアシノスリ(Rough-legged Hawk)が飛ぶ姿を発見。わずか柱に止まるもすぐに飛び去って行きました。Light morph の Juvenile だと思われます。
 次に昨シーズンにかなりの高確率で見られた場所に移動します。いやがおうにも高まる期待!?シーズン初のシロフクロウはいかに…















…いました。
 羽の模様がかなり濃いようですから、おそらく雌でしょう。電柱の上に止まっています。光線の具合が良くなるように南から北に向かった思惑通りです。きれいな姿を画像に収める事ができました。

 近づくとすぐに逃げてしまいます。少し遠めからデジスコで撮影します。電柱の上のフクロウが見えますか?光学ズームの範囲内。デジタルズーム使用でクローズアップ。 通過する車は気にも留めないようで同じ電柱に止まったままでした。ところが、こちらの車をゆっくり近づけるとあっという間に飛び去っていきました。

 今日のところはこの1羽だけでした。寄り道も多かったので少し遅くなってしまいましたし…。
しかし、この白い鳥が雪の平原の上をわずか数メートルの高さで滑るように飛ぶ姿は何度見ても美しいですね。

2010年11月18日木曜日

ワイン考

 ようやくバンフに雪が降りました。今週末には-20℃まで下がるようです。
11月に入って訪れるお客様も減り、ツアーの仕事も落ち着いてきたので久しぶりにワインの仕込をしました。
飲むのは自作ワインばかりだったので、たまには既製のワインを試してみようっとオカナガンの赤ワインで…。
しかし、ワインの優劣や値段はどうやって決まるものなんでしょうね。やっぱり鳥のラベルで選んでいました。ワインの薀蓄は語れそうにありません。
クリスマスまでには Pinot noir が仕上がります。

2010年11月9日火曜日

ケミカル3+

 天気予報では雪が降りそうな様子だったのに夜が明けてみれば穏やかな秋晴れでした。もちろん気温は氷点下だし、空気は冷たいのだけれども、青空が広がってます。
 お昼ごはんの前にちょっとしたお散歩ハイキングです。
こんな時期だというのにハエトリツグミ(Townsend's Solitaire)が梢でさえずっています。
谷底のゴルフコースはひっそりと、低く漂う雲に日がさし始めます。そんな景色を眺めるWintergreen 田中夫妻。 頂上ではカナダカケス(Gray Jay)が食べ物を狙って近づいてきます。のんびりと景色を眺めます。きれいだね~。 昼食は新装なった(といっても、もう3年ぐらいは経っているらしい。)レストランでバッフェ。調子に乗って食べ過ぎて画像を撮ってません。食後にはサイトインスペクションまでしていただきました。カルさん、御招待ありがとう。
良く笑い、良く食べた日でした。

2010年11月6日土曜日

いってみたかったんだよね~。ここ。

 久しぶりに5日間連続のお仕事で、エドモントンからカルガリー近辺を走り回ってます。
以前から行ってみたかったバードサンクチャリにも少しだけ立ち寄ることができました。

薄く張った氷の上にマスクラット(Muskrat)がいます。湖も今はとても静かなたたずまいです。限られた時間の訪問だったのでじっくり見ることができなかったのが残念です。
今度はもっとゆっくり時間をとって見たいですね。

春にはたくさんの鳥が見られるらしい。そしてピンクのレディスリッパーが咲くらしい…、Todd、ほんとかよ。

2010年10月30日土曜日

少しづつ、静かに冬に向かう…

 たまにはカメラを持たず、双眼鏡も持たずに歩いてみようか…。昼には戻って昼食を作ってあげないといけないし…。

 トウヒ(White Spruce)の切り株にはアカリス(Red Squirrel)が食べ散らかした松毬の残骸が残っています。あちらにも、こちらにも。

やっぱり顔を見せたリスは、逃げもせず、3mほど離れた枝の上からこちらを見下ろしています。
アカリスって目が良かったよなぁ。プルーイット(William Pruitt)の本にでてたよなぁ。でもこいつは逃げないなぁ…。ジョギングする人が近づいて来ると樹上高くに消えて行きました。

 トウヒの森の梢からにぎやかな鳥たちの声が聞こえます。かすかに赤い色が見えるような気がする。多分、ナキイスカ(White-winged Crossbill)。トウヒの松毬をひらいて種を食べてるんでしょう。

コガラの声も聞こえてきます。川沿いの大きなトウヒの周りでカナダコガラ(Boreal Chickadee)が飛び回っています。枝先に逆さまにぶら下がったりして…。
アメリカヤマナラシ(Trembling Aspen)にはキレンジャク(Bohemian Waxwing)。小さな群れがやっぱり梢の辺りを行ったり、来たりしています。

 寒さが森を静かにしてしまう様な気がしますが、なかなかどうして、にぎやかですね。


 午後からはハクチョウを見に行きます。
湖の対岸の浅瀬にアメリカコハクチョウとカナダガンが集まっています。春に比べるとちょっと数が少ないですね。
ブラインドからデジスコを構えてみます。画像にしてみると嘴の黄色い点まで良く見えます。400mmではこんな具合です。スコープでみるとこんな風に見えます。ブラインドに向かう途中の新しそうなビーバーの齧り痕。そして、Snowberry(Symphoricarpos albus スイカズラ科)の白い実。 ロッキーは静かに冬にむかってます。

2010年10月23日土曜日

ファーマーズ・マーケット

ホッケーの試合のついでにカルガリーまで足を延ばしてみました。
これといってお買い物の予定があったわけではありませんが、たまたま見かけた記事に載ってたベーカリーを目指してファーマーズマーケットに行ってみました。サンクスギビングも過ぎたことだしどんなものかと思っていましたが、なかなか賑わっておりました。
このマーケット内のオーガニックのカフェ・ベーカリー、リンゴのタルトもクリームブリュレもとてもおいしかった…。新鮮な野菜や果物、フリーランのチキンにシーフード、チーズ屋さんにはケベックで訪れたセン・ベノア修道院のブルーチーズまでありました。このチーズとてもおいしいらしい…。
また、ゆっくり出かけてみよう。

2010年10月17日日曜日

イーグル・ウォッチング

愉快な仲間たちとネイチャー・ウォークとイーグル・ウォッチングに出かけてきました。
花もなく、黄葉も終わった森を雪を踏みながら歩いてみます。鳥の声もないけれど、風にきしむ樹の音を聞きながら…。仲間たちの笑い声に包まれながら…。

ポプラの木は葉が落ちる時にはもう来年の春に芽吹く為の冬芽ができています。葉の落ちた痕はとぼけた顔のように見えています。
隊長のWintergreen 田中さんはこの顔がお気に入りです。イヌワシの渡りを眺めて見ます。山の稜線を螺旋を描きながら上昇して、南の方へスーと流れていきます。スコープでも追いきれません。ワシの姿を捉えることはできませんでしたが、頂上を目指すハイカーたちが写っていました。
ロッキーはもうすぐ雪になります。

2010年10月12日火曜日

紅葉のカナダ

 カナダに暮らして、ずいぶんと経つのにカナダのシンボルであるサトウカエデの紅葉を見たことがありませんでした。  
 わずか2週間程の間、モントリオールやケベックにはたくさんのツアーが日本から押し寄せます。ロッキーの素晴らしい黄葉と良いお天気に後ろ髪を引かれつつ、紅葉のケベックへツアーのお手伝いに出かけて来ました。
 
 ゆっくりと森を歩く時間など到底期待できず、モントリオール、そしてケベック、ロレンシャンのモントランブランを行ったり来たり、走り回ってきました。


9月28日モントランブランのゴンドラから見た紅葉。晴れていたらもっと綺麗だろうに、紅葉がピークに向かう頃は雨ばっかりでした。
10月3日朝日を受けた紅葉の山。モントリオールからモントランブランへ。毎朝早起きでした。10月3日水面に映る紅葉は綺麗ですね。 10月4日サンタデールのカエデ。 10月4日カナダの旗、そのままです。 10月10日こんな森の中をゆっくり歩いてみたかった…。 もう一度、ゆっくりと訪れてみたいですね

2010年9月16日木曜日

Very Berry ベリー

 実りの秋です。熊はバッファローベリーの実を食べるのに忙しくしています。私たちが食べると苦いだけですが、熊にとっては冬眠に備える大事な食料です。

他にも宝石の様に美しい実があちこちに生っています。
Alpine Bearberry(Arctostaphylos rubra)。Kinnikinnickはモサモサした実ですが、この真っ赤な葉の下に生る実はジューシーです。ローズヒップ。ビタミンCが豊富なタカネバラの実はローズヒップティーとして知られますね。タケシマラン(Twisted-Stalk)。どうやらこの実は食べられるらしい…、でも本によってはお腹をこわすとも書いてある。まだ試したことはありません。サイフリボク属(Saskatoon)。先住民にとっては一般的な食用の実だったらしい。ジャムなどが作られていますが、生の実はブルーベリーに比べるとちょっとモサっとしてます。イチイ(Western Yew。Pacific Yewとも呼ばれる。オンコとも呼ばれる。)。甘くておいしい実ですが、真ん中にぽつんとある種は有毒らしい…。葉や樹皮を原料にパクリタキセルという抗がん剤が作られます。ガマズミ属(Highbush Cranberry)。 カエデに似た葉が赤くなります。実はちょっと酸っぱいです。ブルーベリー(Oval-leaved blueberry)。甘酸っぱい実は、ブルーベリーそのものです。とてもおいしい実ですね。
おまけ1
ヤナギラン(Fireweed)の種。はじけたシードポッドから綿のような種が風に飛ばされていきます。
おまけ
これ、何だかわかりますか?葉っぱで作ったバラの造花のようですが、これはなんと虫こぶ(虫癭)です。中に幼虫がいるはずです。

2010年9月12日日曜日

久しぶりに鳥です。

 すっきり晴れずに雲の多い日が続いていますね。余計に寒く感じてしまいます。森の中も忙しそうなのはリスばかりで、めっきり鳥の姿も減ってきたようです。

 リップルレイクのマスを狙っているのか、アオサギ(Great Blue Heron)が紅葉する潅木の前にたたずんでいました。アサバスカ氷河の近くで見かけた鳥です。ツグミ系だろうか?この鳥はいったい何でしょう? バンフでカワアイサ(Common Marganser)を見かけました。エクリプスかと思ったのですが、どうやら幼鳥(Juvenile)の様です。紅葉のシーズンを迎え、また少しツアーの仕事が忙しくなりそうです。また、更新が滞りそうな気配です。

2010年9月8日水曜日

秋、紅葉

 今年の9月は寒い日が続いていて、バンフの木々も黄色く色づき始めています。
西部カナダの秋はヤマナラシ属(Populus)の黄色と決まっているような気がしてましたが、よく見れば高山帯では紅葉が進んでました。 バスの運転の仕事はちょっと長めの昼休みがあって、見慣れているはずの景色を少し違う角度から見ることができます。
 
Alpine Bearberry (クマコケモモの仲間というのだろうか?)の紅葉。丈は低いものの鮮やかな紅です。水辺にあった小さなFireweed (ヤナギラン)。
雨模様のおかげで薄暗かった朝、コミミズク(Short-eared Owl)が道路を横切りました。
暗すぎてうまく写真には撮れませんでしたが、証拠写真です。