2014年6月16日月曜日

バージェス頁岩へ、アノマロカリスを探せ。

20年前に“生命40億年はるかな旅”というNHKスペシャルが放映されました。この中で5億年前の海に生息していた生物を、化石の情報をもとにロボットに復元して泳がせるという場面が紹介されていました。
この5億年前の詳細な化石が発掘されている地層がバージェス頁岩で、復元された生物がアノマロカリス(Anomalocaris)でした。

世界遺産でもあるバージェス頁岩の場所は立ち入ること自体に制限が設けられていますので、特別なガイド付きのハイキングでないと近づくことができません。
今回はいろいろな化石が採掘されているウォルコット・クエリーではなく(まだ雪が多くては入れない。)、三葉虫の化石で有名なマウント・スティーブンへ向かうツアーに参加して来ました。

天気予報通りに今にも降り出しそうな曇り空のもと、フィールド(Field)の町を出発します。
トレイル・ヘッドには制限地域の説明板があります。青い斜線の四角は専門ガイド付きであれば入れる範囲。赤の四角はさらに厳しく制限された範囲で、化石採掘の許可などを持っている必要があります。今回ガイドしてくれるロブさん。
制限区域に入ると監視用のカメラとモーションセンサーが設置されていて、不法侵入はすぐにバンフの公園管理官に通報される仕組みなのだそうです。鳥の巣箱ではありません。
目的地までは約4km、標高差900m。穏やかな登りと急な登り、そしてバカみたいに急な登りのある道なんだそうです。結局、ずっと登りなわけです。雨の中、みんな頑張って登りました。
これはバカみたいに急な登りが始まるところ、この辺りまで来るとトレイルにさえ三葉虫の化石が見られます。
登りが続くこともあって途中に所々でインタープリテーションが入ります。カンブリア紀の大爆発についてや、造山運動について。地質学の専門家らしくわかりやすい解説でした。

雨が降っていることもあって、サイトへの急坂を残して、まだ林のある場所で昼食をとりました。お昼直後の急登はきついです…。

サイトに到着するとバックパックを置いて、化石を見ます。そこらじゅうの岩に三葉虫の化石が散らばっています。このサイトには数多くの三葉虫とアノマロカリスが見られるのだそうです。
このすぐ上は制限の厳しい範囲で、オレンジ色の看板とチェーンによって区切られています。
たくさんの化石があるのですが、ほとんどは欠けていたり、部分だけであったりします。これも頭の方(右下)の両脇が欠損しています。
ツアー用にきれいな標本を用意してあります。このサイトで最もよく見られる三葉虫(Ogygopsis)。
そしてアノマロカリス。サイトでも一生懸命探したけれども、見つかりませんでした。この標本は獲物を捕まえる為に発達したクロー(Claw)と呼ばれる部分です。このクローの化石は発見当初、エビのような生物だと思われていました。
いつもは1時間ぐらいいるらしいのですが、雨や風が強いのであまり長くはいられませんでした。
それでも、化石とともに記念撮影。eVentの新しい雨具も快適でした。
サイトには看板と標本をしまっておく赤い箱が設置されています。
帰り道は雨のおかげでトレイルが滑りやすく、転倒者続出でしたが、けが人もなく、無事に戻ってきました。
ガラスケースに入っていない生のアノマロカリス(もちろん化石ですが…。)に触れることができて感激しました。って、かなりマニアックですかね。

2014年6月3日火曜日

花の下見に西へ。

今年の春は雪が多かった、だから花の開花は少し遅い…、それはよく分かっている。でも天気はいいし、この時期に休めるなら、やっぱり出掛けてしまいます。今日は西へ。

この時期、湖は凍っているところが多い、こんな風に色がきれいで、景色がきれいに映るところは貴重です。
歩き始めるとサクラソウがたくさん咲いてました。そういえばこの時期にこのトレイルは歩いてないなぁ。バンフの方では見ないスミレ(Kidney-leaved Violet)が咲いています。
山地帯(Montaine)の春の花といえばチゴユリの仲間(Rough-fruited Fairlybell)。
西のホテイランは距が長い?! 単なる個体差か?
このトレイルで一番見たい花がこれ。咲くのは7月ですけど…。咲いたら、またご紹介します。
さして長くもないトレイルの終点は滝。水量は豊富で見ごたえ十分です。
滝の近くにはムシトリスミレ(Butterwort)が咲いています。
場所を変えて、エメラルドレイクへ。この時期のエメラルド湖はカタクリです。ロッキーのカタクリは黄色で、葉に模様がありません。
湖畔沿いにはまだまだ蕾も多く、しばらく楽しめそうですね。ようやく開いて反り返り始めた花弁の若い花。
去年と比べても開花の時期がずれそうです。花を見るツアーの為には下見が必須になりそうです。

2014年6月1日日曜日

アツモリソウのこと始め

日本では連日、猛暑日が記録されているようですね。ロッキーではようやく20℃に届くようになって咲き始めた花々が増えてきました。カルガリーではエゾノウワミゾザクラ(Mayday)、ヒメリンゴ(Crabapple)、ライラックが見られるようになってきました。

ロッキーは春の雪が多くて、花が例年よりも遅れているような気がします。標高の低いカルガリーはどうだろう…。6月の声が聞こえてくるとアツモリソウがどうしても気になります。

買い物も兼ねてカルガリーにアツモリソウを見に行きます。歩き始めて目立つのは青紫のスミレ(Early blue Violet)です。

アツモリソウと同時期に咲く花。マイズルソウの仲間それともユキザサの仲間?(Star flowered solomon's seal)。
咲き始めたアツモリソウ(Yellow lady’s Slipper)。大きな株がいくつか見られました。
アメリカザイフリボク(Saskatoon)も咲いています。
クローズアップでいくつか撮ってみます。
モカシンフラワーの別名の通り膨らんだ唇弁が特徴です。
一つの茎に2つの花がつくことがあります。
その気になってみるとまだ咲いていないアツモリソウの株がいくつか見えてきます。
この後、カルガリーで買い物を。今日は子供たちは連れと来なかったのに昼食はハンバーガー。でもこれは美味しかった。

帰り道にメニー・スプリングスにも寄ってみました。まだここは蕾ばかりでしたね。ヤムヌスカ登るのももうちょっと先にしておいた方が良さそうです。
ここでは咲き始めたチョウノスケソウの仲間(Yellow Dryad)と
クレマチス(Blue Clematis)と
ベアベリーを撮ってきました。

花の咲くタイミングが微妙にずれそうです。6月から7月上旬は花を目当てのハイキング・ツアーが多いので少し心配ですね。