2011年7月25日月曜日

Soulier de Notre Dome

 例年のごとく7月の下旬はツアーが少なくなり、仕事も落ち着いてきます。お休みできたので子供たちが計画してたキャンプに同行できました。ついでに今シーズン最後のレディスリッパーを見に行こうっと。

 子供たち、キャンプ組がビーチで遊んでいる間に白いアツモリソウ(Mountain lady’s slipper)を探しに行きます。どこも例年より開花が遅れていたからまだ咲いているはず…です。気が急いた為かなかなか見つかりません。一昨年見に来た時にはいくつも花をつけた立派な株がいくつかあったのに…。

一度、通り過ぎてしまってから戻りつつ、じっくり探してみます。ありました、ありました。一株だけ花をつけてます。ホッ…。

 アツモリソウはいっぱいに花をつけた翌年には葉の大きさが10%から13%ほど小さくなってしまうそうです。同じようにたくさんの花をつけるには約4年はかかるとか…。近くにはシカに喰われた痕もあるし、この株は今年は小さかったんだろうか。

 アツモリソウの種は貧弱で、自身に養分を持ちません。根に共生するラン菌なくしては生育できません。それでもひとたび受精に成功すれば60,000もの種を作るんだそうです。寿命は平均で20年、条件さえよければ150年は生きるんだそうな。最近は無菌播種などという方法で育種も行われているようですが、自然の状態では、開花まで1017年もかかるんだそうです。しばらくこのままで楽しませてもらいたいものですね。

唇弁に見られる血管のような線は受粉を助けるハチを開口部まで導く役割をしています。この花にはもっと小さな虫たちがたくさんついてました。

 トレイルヘッドまで戻る帰り道。さらに立派な株を見つけました。どうして往路にづかなかったのかなぁ。この辺りには以前に小さな株を見た覚えがありました。気をつけて見ていてよかった。開花から時間が経っているらしい様子ですが、道路からもわずかな距離、咲いているところが見られてよかった。

おまけ

バンフに戻ってから、ロベリア(Kalm’s lobelia)を見に行きました。たくさんの蚊の襲撃に耐えながら、写真を撮って、早々に引き上げましたよ。

ウメバチソウの仲間(Northern Grass of Parnassus

ネジバナの仲間(Lady’s Tresses)

2011年7月12日火曜日

休日、花を見に行く。

 子供たちは別行動。久しぶりの休みに、Super takumar 50mm マクロを持ち出して、二人で花を見に出かけました。

Sparrow’s-egg Lady’s slipperCypripedium passerinum)アツモリソウ属

Greenish-flowered WintergreenPyrola chlorantha)イチヤクソウ属

Shrubby CinquefoilPentaphylloides floribundaキンロバイ属? それともキジムシロ属に分類する?

スポットライトを浴びているように見えませんか?

Yellow lady’s slipperCypripedium calceolus)アツモリソウ属

BunchberryCornus canadensis)ミズキ属?

Green-flowered Bog-OrchidHabenaria hyperborea)ミズトンボ属…たぶん。

Yellow lady’s slipperCypripedium calceolus)アツモリソウ属

Common red paintbrushCastilleja miniata)和名はないかなぁ。

Golden CorydalisCorydalis aurea)キケマン属

2011年7月10日日曜日

ハイキングツアー

“後で調べよう。”の花は、Blant-leaved Sandwart でした。オオヤマノフスマに近い種の様ですね。

しばらくハイキングが続いてずいぶん日焼けしました。バンフを離れて、モナシー(MONASHEE)、セルカーク(SELKIRK)から始まるこのツアー。例年に比べて雪が多かったおかげで、はじめから予定変更を余儀なくされます。1週間分をまとめてアップします。そんな中で歩いてみたのが、この滝への道。ロッキーに比べるとはるかに湿り気の多いツガの林の中を進みます。おなじみのゴゼンタチバナ(Bunchberry)やQueen’s cup(ツバメオモトの仲間)、スダヤクシュ(Foamflower)やリンネソウ(Twinflower)に混じって、見たことのない花が咲いています。

Western Coral-Root

これもあまり見かけないRound-leaved rein-orchid(ツレサギソウ・ミズトンボ属)

シダも私には新鮮です。

セルカーク山脈のバルー・パスのトレイルへ。ここでもロッキーでは見かけない花をいくつか見つけました。雪が多くて進めなくなる辺りに黄色いカタクリがたくさん咲いていました。こちらのカタクリはどれも大きな株です。

コチャルメラソウの仲間。(Brewer’s Mitrewort)。

Simple-stemed Twisted-stalk(タケシマランの仲間)。

これはおなじみのSpring beauty

ロッキーに戻るとまたもや予定変更。エメラルド湖周辺が熊の為に閉鎖されてしまいました。後の行程を前倒ししてエッフェル湖に向かいます。このトレイルの入り口はよく知られたモレーン湖にあります。スタート前にロックパイル・トレイルからモレーン湖の景色を見ておこう。

次は定番のレイクルイーズへ。連日の好天で温度が上がります。レフロイに雪崩が見られました。

熊による閉鎖が続く、エメラルド湖へもダメもとで出かけました。運のよいことに閉鎖は解除され、湖半のトレイルを1周できました。

カラフトアツモリソウ(Yellow lady's slipper)が花盛り。ついでに白い方(Mountain lady's slipperも。

雨模様のこの日はボウ湖とペイトー湖へ。断続的に降る雨は時折、霙に変わり、虹を呼ぶ。

エルク(American Elk)やミサゴ(Osprey)の巣を見ているとすぐそばにハシボソキツツキ(Northern Flicker)の雛が顔を出す。

最終日に満を持して目指すのはヒーリー・パス(Healy pass)のカタクリの群落この群落の開花にタイミングを合わせるのは難しいんですよ。

途中のキャンプ場でWintergreen田中さんと出会い、ムースの親子の居場所を教えてもらいました。リンク
どこまでも続く黄色いカタクリも素晴らしいのですが、違うところに目が向いてしまうのはへそ曲がりだからかなぁ。水辺のMountain Marsh-Marigold(リュウキンカの仲間)

何となくエーデルワイスみたい…。

最後のおまけは子供づれのハイイログマ(Grizzly Bear)。私たちの目の前の道路を横切っていきました。小熊たちのかわいらしいこと。

このツアーの様子は11月発売の「山と渓谷」おなじく12月発売の「ワンダーホーゲル」に掲載予定です。お楽しみに…。