2017年5月29日月曜日

バッドランドへ、新種の恐竜を見に行く 5月28日

今シーズン初めてのドラムヘラーへのツアー。バンフからはちょっと遠いのであまり頻繁に行けるものではありません。
ナショナルジオグラフィックをはじめいろいろなメディアを通じて報じられた保存状態の良いミイラのような新種恐竜の化石展示がはじまったばかりのティレル博物館を訪れるのが楽しみです。

良いお天気と5月の爽やかな風の中、まずは代表的なバッドランドの地形の中へ。
ホースシュー・キャニオンに階段やウッドデッキが設置され、谷の中に降りられるようになっていました。手軽にバッドランドが眺められてちょっとしたハイキング気分も味わえます。
ドラムヘラーのインフォメーションに立ち寄って“世界最大のT-レックス”で記念撮影してから、ティレル博物館へ。

カフェテリアが混雑する前に昼食を食べてから、ゆっくり館内見学へ向かいます。
ギャラリーの入り口ではアルバータサウルスの実物大のジオラマがお出迎え。白亜紀のアルバータの様子を再現しています。

昨年リニューアルされた“Fossils in Focus”のセクションもいくつか新しい化石展示に代わっていました。
この翼竜の幼体には胸部と腹部のあたりに胃の内容物とみられる消化された後の骨が残っています。

そして、“ブラックビューティー”。いつ見てもいいです、大好きです。
アルバータ州で発見されているティラノサウルスは2体だけで、もう一体は腰と脚の部分だけです。この黒く変色したT-レックスは美しく、貴重なものです。

プリパレーション・ラボの先にあった“Lords of the Land”という肉食恐竜の展示が一新され“Grounds of Discovery”に変わっていました。ここに話題になっているNodosaurの展示があります。
3Dのまま保存状態よく残った化石は本当にミイラの様です。草食恐竜ですが、この化石は海にできる堆積層の中から見つかっています。おそらく死骸が海まで運ばれて急速に化石化したものと考えられています。
下半身はこんな風にワイヤーを使って再現されたいます。
鱗状の突起や皮膚、ケラチン質の突起の鞘などがよく保存されています。この頭部のレプリカは触れます。
2011年に発見された化石はMark Mitchelという技師が専属で、7000時間以上を費やして整えたのだそうです。

2014年に初めて見た時、この化石はラボの中でした。新種の恐竜だと教えられた覚えがあります。
2015年の時には、大分きれいになって全体が見えてきています。アンキロサウルスと同じ装盾類ですが、尾にハンマー状の突起はなく、50cm以上にもなる肩の長い突起が特徴です。フィギアを見ながら全体をイメージしてきれいに整えていくんでしょうね。

博物館を満喫した後はバッドランドを車でドライブしてみます。

バンフからは少し遠いので時間はかかりますが、訪れる価値は十分にあります。そんな風に思ってもらえたのがとても嬉しいです。

2017年5月21日日曜日

仕事にEOSを持ち出してみる。5月20日

良いお天気に恵まれたカナディアン・ロッキー観光の日、珍しくガイドじゃなくてバスの運転手を担当しました。これはチャンスでしょ、ひさしぶりに一眼レフを持ち出して仕事の合間に写真を撮ります。おまけにコロンビア大氷原だけじゃなくてエメラルド湖にも行ってしまう欲張りツアーです。

花が咲き始め、鳥の声も賑やかになる春のロッキー、観光名所の絵葉書的景色ではない山や鳥や花を載せてみます。

まずはクロウフット氷河のワタリガラス(Common Raven、Corvus corax)から。
日本では冬の北海道に飛来するだけの希少なカラス。バスやキャンピングカーなどたくさんの車がやってくる駐車場で愛嬌を振りまいています。高度な社会性を持つと考えられている賢い鳥です。
これがクロウフット氷河。
全体の形は“カラスの足”のように見えます。氷河の青をクローズアップで。

観光客は景色に夢中ですけど、実はボウ湖の駐車場ではいろんな鳥が見られるんです。

人や車の近くでおこぼれを探しているのはカウバード(Brown-headed Cowbird、Molothrus ater)です。
“ピコピコピー”ってなゲーム機みたいなかわいい声なんですけど、ほかの鳥に自分の卵と子育てを押し付ける(托卵)をするズルい鳥です。

除雪の塊の上でさえずるのはミヤマシトド(White-crowned Sparrow、Zonotrichia leucophrys)です。
このさえずりの英語での聞き倣しは“I wanna go pee pee now”といいます。うちの子供たちはこの鳥の声だけはすぐに覚えました。

同じ雪の山にカオグロシトド(Harris's Sparrow、Zonotrichia querula)。
渡りの途中でしょうか?初めて見ました。顔の黒い変顔の雀です。

そしてトイレ休憩のドライブイン、クロッシングでも観光客たちはトイレと売店へ向かいますが、この時期しか見られない花を見に行きましょう。
ホテイランの仲間(Venus's slipper、Calypso bulbosa)がロッジポール松の林床に咲きます。

ここクロッシングからの山をパノラマでなくズームでとらえるのも楽しいです。
アウトラムとフォーブス。
そして、裏山に当たるウィルソン。

コロンビア大氷原では、昼食や雪上車観光などのアトラクションに時間がかかりますから、3時間ほどの休憩時間ができます。(運転手だけですよ。ガイドの時はこの間も働いてます。)
氷河の絶景が見える場所でタイムラプス(facebookに投稿してあります。)を撮りながら、お弁当を食べました。
それから、モレーンの上に。この日カメラを持ってきた一番の理由はここでフタオビチドリ(Killdeer、Charadrius vociferus)を撮ることです。これは鳴いている瞬間です。
そして飛翔。
さらに別の鳴き方。
営巣して子育てが始まったら、偽傷行動とかも見られるかなぁ?

ついでにシマリス(Least chipmunk、Tamias minimus)。なかなかかわいらしいポーズをきめてくれました。


ツアーの終わりには氷が消えたエメラルド湖へ。ここは近辺で最も早く黄色いカタクリの花(Glacier Lily、Erythronium grandiflorum)が見られる場所です。

ちょっと行程を詰め込み気味な典型的な周遊ツアーでしたが、お天気も良く参加された皆様も楽しんでいたようです。こんなにいろんな写真が撮れたし、めでたし、めでたし。