2025年7月28日月曜日

ブレイクスルー 7月21日

 恐竜、好きですか?
ジュラシック・ワールドの新作がもうすぐ日本公開ですね。
福井ではスピノサウルスが泳いでいるらしいし…。
夏休みになると子供向けに恐竜関連のイベントが増えますね。
頭の中に恐竜を飼っているというほどではありませんが、血が騒ぎますよね。

ようやくティレル博物館の新しい展示を見に行くことができました。
仕事で訪れたわけなんですが、お客様より楽しんだのかもしれません。

“Breakthroughs” ブレイクスルー
Gemini先生に和訳を尋ねてみたところ、「躍進」「革新」「突破」「新境地」と出ました。
絶滅してしまった恐竜たちの生態を化石から推測するしかない古生物学はロマンチックな学問だと思います。それを支えているのは研究者の大変な忍耐なのだけれど…。
アルバータから発掘されたたぐいまれな化石たち、奇跡的な保存状態で見つかった5つの標本からなる新しい展示です。

ボレアロペルタ 𝘉𝘰𝘳𝘦𝘢𝘭𝘰𝘱𝘦𝘪𝘵𝘢 𝘮𝘢𝘳𝘬𝘮𝘪𝘵𝘤𝘩𝘦𝘭𝘭𝘪
まるでミイラのように奇跡的な保存状態。捕食獣に喰われることもなく、腐敗や分解も免れて1億1千万年前の様子を教えてくれます。
表面からは色素も検出されており体表の色もわかりました。胃の部分(展示もあります。下の画像)からは死の直前まで食べていた植物が見つかっていて摂食の詳しい状況がわかります。

オルニソミムス 𝘖𝘳𝘯𝘪𝘵𝘩𝘰𝘮𝘪𝘮𝘶𝘴 𝘴𝘱.
最も完全なオルニソミムスの化石は植物化石の発掘の際に偶然見つかったそうです。
前腕の尺骨に固い羽軸が付いていた跡(Quill knobs)が見つかりました。身体の大きさに対して羽は少量で、求愛の為のディスプレイに使われたと考えられています。

モササウルス
この海生爬虫類の化石のおなかの部分には死ぬ間際に食べたのであろう魚の化石が含まれています。(その魚の化石は新属新種として分類されました。)
また死んだこのモササウルスを捕食したであろうサメの歯が残っています。当時の海の中の連鎖の様子がうかがえます。

ヒパクロサウルス 𝘏𝘺𝘱𝘢𝘤𝘳𝘰𝘴𝘢𝘶𝘳𝘶𝘴 𝘴𝘵𝘦𝘣𝘪𝘯𝘨𝘦𝘳𝘪
カナダで初めて見つかった恐竜の巣と卵の化石。この話はとても有名で絵本にもなっています。
卵のかけらの化石を見つけたのは当時18歳の高校生ウェンディ・スロボーダ、フィル・カリーなど博物館の古生物学者と一緒に発掘をした彼女は後に古生物学者、化石ハンターとして名を馳せます。
完全な形で残った卵からは恐竜の胚(赤ちゃん)も見つかっています。

もう20年以上前にデビルズ・クーリーを訪れました。この巣が見つかったサイトツアーにも参加して、石膏ブランケットがかけられて発掘を待つ巣の化石を見ました。
また行きたいなぁ。

ゴルゴサウルス 𝘎𝘰𝘳𝘨𝘰𝘴𝘢𝘶𝘳𝘶𝘴 𝘭𝘪𝘣𝘳𝘢𝘵𝘶𝘴
このゴルゴサウルスの幼体の化石の胃の部分には死のおよそ1週間前に食べたであろう小型恐竜(𝘊𝘪𝘵𝘪𝘱𝘦𝘴 𝘦𝘭𝘦𝘨𝘢𝘯𝘴)の骨が見つかっています。
ティラノサウルス科の成獣は角竜やカモノハシ竜を捕食していたと考えられていますが、これは11歳ぐらいまでの幼体の摂食の様子がわかる貴重な化石です。

博物館の誇るギネスレコードに載る5つの化石標本のうち2つがここに展示されています。
他にも見どころはたくさんあります。
特に恐竜好きというわけではなかったようですが、博物館などは好きというお客様を4時間ほど引きずり回しました。
楽しんでいただけたなら幸いです。

このモササウルスのフィギアが欲しかったのだけれど、非売品ディスプレイのみでした。

2025年6月28日土曜日

たまには潔く単焦点

 今日は夜のお仕事の予定が急にキャンセル。まあ仕方ないよね。

少し散歩に出てみる。連休中の街は異様な混雑。人も車もたくさんなので人の少ないところを選んでみる。久しぶりに一眼レフを持ち出して。
最近はスマホでしか写真を撮ってないので、たまにはいさぎよく50mm単焦点マニュアルフォーカスの放射能レンズだけをつけてみる。しかもモノクロオンリーで撮ってみる。

家の前にあるハンギングバスケットのお花

バンフ駅の景色

駅のホームの割れ目に咲く花

通りかかった貨物列車。ピンが甘いね。

コブコブの樹

もっと練習した方がいいかも…。

2025年6月11日水曜日

もう一日、レディスリッパー 6月10日

 暑い日が続いています。山火事も勢いを増し、カルガリーやバンフも煙の影響が出始めました。
そんな中、白いアツモリソウを求めてまた出かけてみます。今度は西へ。

本日のタスクは3つ。3か所のレディスリッパーを確認すること、小さなランを見つけること、旧道の道沿いに去年見つけた株を再確認すること。

それなりに早く出てきたつもりでしたが、駐車場の残りはわずか5つ。とりあえずホッとする。
湖畔の道へ。例年より早い時期に来たつもりだけど、なんか咲いている花の感じが違う。これが温暖化の影響か…。

黄色いアツモリソウが見られはじめる2番目のベンチに白いアツモリソウがありました。
ちょうど開いたばかりかな。

ここは山と湖とアツモリソウが撮れる貴重な場所。

湖畔を奥に進むとどうやら増水でウォッシュアウトがあったみたい…、もう一つの場所には咲いている株が少なかったです。まだつぼみもありましたけど…。

ここの白い花(Mountain lady's slipper 𝘊𝘺𝘱𝘳𝘪𝘱𝘦𝘥𝘪𝘶𝘮 𝘮𝘰𝘯𝘵𝘢𝘯𝘶𝘮)の株は見事です。観光客でごった返す場所から目と鼻の先なのに誰もね、来ないんですよ。

次の場所へ向かう途中に見つけましたよ、小さなラン。
コフタバラン(Heartleaf twayblade 𝘕𝘦𝘰𝘵𝘵𝘪𝘢 𝘤𝘰𝘳𝘥𝘢𝘵𝘢)

さらに人込みを離れて秘密の場所へ。ここはまだ誰にも話したことがないかな。
ほんの少しだけがひっそりと咲く場所。でもとても美しい花が咲く場所です。


森の中でまだ開いていない株もあります。
こんなつぼみを見るとテンションが上がるのは変ですかね。

これはトレイルからも見える株。森の中にひっそりと咲きます。

ハイキングトレイル沿いに咲く立派な株。陽当たりの良い場所で見ごたえ十分。

帰り道に道路沿いの黄色いアツモリソウを撮りました。去年見つけた時にはもう花が終わりかけていたので再訪です。
バンフの街中以外のバンフ国立公園内で初めて見つけました。
白いハナグモ(蜘蛛ね)がいたんですよ。

ということで、レディスリッパー三昧の半日でした。帰り道にキャッスプマウンテン・シャレーの売店でキャンモアのチョコレート屋さん(Le chocolatier)のチョコを買って帰りました。おいしいんですよ。
(ほんとはMaster chocolatとかCochuの方が好みではありますが…。)

G7とロータリーが終わったらもう一度行きたいなぁ、お花は残っているだろうか…

2025年6月7日土曜日

レディスリッパーの日 6月2日

 今年は開花の予測が難しい。
冬の雪は比較的少なくて5月には暑い日が1週間ぐらい続いた。ホテイランは少し早めだったし数も多い。
でもカルガリーのイエローレディスリッパーはそんなに早い様子は見せていなかった、難しい…。
本当ならもう少し待つべきところかな、でもこれから忙しくなるようだし、咲いてるどろうなぁって思ったら、もう落ち着かない。やっぱり行ってみることにする。

最初に目に入ってくるのは黄色。
イエローレディスリッパー(𝘊𝘺𝘱𝘳𝘪𝘱𝘦𝘥𝘪𝘶𝘮 𝘱𝘢𝘳𝘷𝘪𝘧𝘭𝘰𝘳𝘶𝘮)
古い花の本にはカラフトアツモリソウ(𝘊. 𝘤𝘢𝘭𝘤𝘦𝘰𝘭𝘶𝘴)と記載されることがありましたが、𝘊. 𝘤𝘢𝘭𝘤𝘦𝘰𝘭𝘶𝘴はユーラシアの種で北米にはありません。

そしてお目当ての白。
ここには黄色と白色の交配種も見られます。そのせいか初めに見つけた白花も萼片の色が薄い。
本来はこんな感じ。
マウンテンレディスリッパー(𝘊𝘺𝘱𝘳𝘪𝘱𝘦𝘥𝘪𝘶𝘮 𝘮𝘰𝘯𝘵𝘢𝘯𝘶𝘮)
やはりまだ少し時期が早かったみたい蕾の状態の株がいくつかありました。
これはたぶんハイブリッド。唇弁の色がクリーム色。
ここまで登るのが年々きつくなる。今月中にもう一度これるかな?

珍しくシマリス(Least chipmunk)を間近でじっくり見られました。

もう一か所、黄色の花がたくさん咲く場所に行ってみる。去年行ったときは終わりかけの花ばかりだったから今年はちょうどいいかも。陽当たりが良い場所だから開花が早いのね。
ここではたくさんの花が咲いているのでフォトジェニックな株を探します。
予想通りたくさんのイエローレディスリッパーを見ました。
2千株ぐらいはあったな、しらんけど…

レディスリッパーの季節はもう少し続きます。ウォータートンにも行きたいなぁ。ヨーホーにも行かなくちゃ。
また今年も同じ花を同じように撮るのです。

2025年5月26日月曜日

ホテイランの咲く森へ

 予定してなかったけれどお休みになった一日。
今年はホテイランが好調の様なのできっとたくさん咲いているだろう森へと行ってみる。

朝から半袖一枚で過ごせるくらいに暖かい。初夏らしいさわやかな空気です。
トレイルを歩き始めるとすぐに花が見え始めます。

ヒメホテイラン(Venus slipper / Fairy slipper) 
𝘊𝘢𝘭𝘺𝘱𝘴𝘰 𝘣𝘶𝘭𝘣𝘰𝘴𝘢 𝘷𝘢𝘳, 𝘢𝘮𝘦𝘳𝘪𝘤𝘢𝘯𝘢

まだ花の少ない時期に咲き始めて、蜜もないくせにさも蜜がありそうなふりをして蜂にアピールしています。
このトレイルにはたくさん咲きますし、時期もよかったみたい。3kmぐらいの間に2千株ぐらい咲いていた気がする…しらんけど。


たくさんの花が咲いている状態の良いときには被写体にする個体を選べるのがいいね。
咲き誇る花から開きかけ、つぼみも。

そしてこのトレイルには珍しい白花が咲く

バンフの街中にも白っぽい花は咲くのだけれど、ここに咲くのはもっとずっと白い。

花弁の奥の紫の筋が見えないくらいに白い

やっぱり森の中を歩くのは良い、気持ちが落ち着く気がする。
来月は忙しいらしいけど、どうだろう花を見に行く気になるだろうか…

こんなのも撮ってみました。




















風薫る 思い出の森 ホテイラン

2025年5月12日月曜日

誕生日

 朝から雨が降っています。

花を買いに行こうと思ったんだよ。おかしいね、花をかってあげたことなんかなかったのに…

だからやっぱり花を探しにいくことにしたよ。昨日はクマを見たしね、そろそろ咲いているよね。

「毎年おんなじ花ばかり撮ってどうするんだか」そう笑う声が聞こえてきそうで… 雨の森で花を探す視界が霞んでくるよ。

しばらく暖かい日が続いたから去年よりは早いみたい。今年はちゃんと見つけたよ。

陽当たりの良いところはたくさん咲いてた。ついでにサクラソウも…

お誕生日おめでとう




2025年4月7日月曜日

4月クロッカス

 毎年この頃になるとプレーリー・クロッカスが咲いただろうかと気になり始めます。
最近はSNSのおかげで開花の情報が入るのも早くなりましたね。

プレーリー・クロッカス Prairie Crocus Pulsatilla nuttalliana
数年前に分類の修正が行われています。過去記事までは訂正しませんが、学名を訂正して下さい。

今年最初の開花情報はフェイスブックに載っていました。
3/23 カルガリーの Bowmont Park。バンフ近郊では 4/6 ジョンソンレイク。

咲き始めたなら行ってみよう…と思ったのですが、車のバッテリーがあがってしまっていて動かない。
実はこの冬の間に一度あがってしまったのですが、チャージしてごまかしてました。
来週ぐらいからは仕事も忙しくなりそうだし、この機会に換えてしまおう…ということでキャンモアまで出かけることに。
ついでにクロッカスの咲く場所にいくつか寄り道してみます。

まずはキャンモアに向かう途中、バレービューのピクニックエリア
雪が解けたばかりの様でまだ見あたりません。

カナディアンタイヤの自動車コーナーなぜか行列、といっても5人ぐらいですけど。なかなか進まないので先に花を探しに行く。

キャンモアで最初に咲くのはベンチランド

戻ったらもうすいていたのでバッテリー購入、その場で交換、古いバッテリーの払い戻しも受けて無事バッテリー交換完了。

バンフに戻ってジョンソンレイクへ。
陽当たりの良い丘の斜面にいくつもの花が咲き始めていました。一番上の写真もここで撮りました。
花の中には虫が潜り込んでいます。

湖は氷に覆われているように見えますね。でもだいぶ解けてきているんです。氷に手を入れてみると霜柱の様にほろほろと崩れていきます。湖に浮かぶキャンドルアイスが見られるのは今だけなんです。

そしてもう一ヶ所、フードゥーへ。
先日のツアーで展望台の方に行った時にはまだ早そうだったので、別の方へ。
トレイルから離れたところにいくつか咲いているのを見つけました。かなり遠い…。

昨年よりは少し早いかな、冬が暖かかったからでしょうか。これから気温が上がりそうなのでもっとたくさん咲きますよ。