2025年4月7日月曜日

4月クロッカス

 毎年この頃になるとプレーリー・クロッカスが咲いただろうかと気になり始めます。
最近はSNSのおかげで開花の情報が入るのも早くなりましたね。

プレーリー・クロッカス Prairie Crocus Pulsatilla nuttalliana
数年前に分類の修正が行われています。過去記事までは訂正しませんが、学名を訂正して下さい。

今年最初の開花情報はフェイスブックに載っていました。
3/23 カルガリーの Bowmont Park。バンフ近郊では 4/6 ジョンソンレイク。

咲き始めたなら行ってみよう…と思ったのですが、車のバッテリーがあがってしまっていて動かない。
実はこの冬の間に一度あがってしまったのですが、チャージしてごまかしてました。
来週ぐらいからは仕事も忙しくなりそうだし、この機会に換えてしまおう…ということでキャンモアまで出かけることに。
ついでにクロッカスの咲く場所にいくつか寄り道してみます。

まずはキャンモアに向かう途中、バレービューのピクニックエリア
雪が解けたばかりの様でまだ見あたりません。

カナディアンタイヤの自動車コーナーなぜか行列、といっても5人ぐらいですけど。なかなか進まないので先に花を探しに行く。

キャンモアで最初に咲くのはベンチランド

戻ったらもうすいていたのでバッテリー購入、その場で交換、古いバッテリーの払い戻しも受けて無事バッテリー交換完了。

バンフに戻ってジョンソンレイクへ。
陽当たりの良い丘の斜面にいくつもの花が咲き始めていました。一番上の写真もここで撮りました。
花の中には虫が潜り込んでいます。

湖は氷に覆われているように見えますね。でもだいぶ解けてきているんです。氷に手を入れてみると霜柱の様にほろほろと崩れていきます。湖に浮かぶキャンドルアイスが見られるのは今だけなんです。

そしてもう一ヶ所、フードゥーへ。
先日のツアーで展望台の方に行った時にはまだ早そうだったので、別の方へ。
トレイルから離れたところにいくつか咲いているのを見つけました。かなり遠い…。

昨年よりは少し早いかな、冬が暖かかったからでしょうか。これから気温が上がりそうなのでもっとたくさん咲きますよ。

2025年3月29日土曜日

春の雪

 暖冬で雪の少ない年にはなぜか春に大雪がふる。
重たく湿った雪は通行人に踏みしめられて氷になる。雪かきが大変。

インターネットで日本のテレビを見る。
気鋭の文芸評論家のインタビューや食べ物系のバラエティ。

なぜ働いていると本が読めなくなるのか。最近あまり仕事もしないのに本を読んでないなぁ…。
とりあえず最後まで読んでみること、つまらない本はそれから罵倒すればよいらしい。
池上彰さんも暗い本を青春時代に読んでいたそうです。そういえばあの頃に読んだね「されどわれらが日々ー」「二十歳の原点」
すぐに仕事に役立たないのが教養というものらしい。

コンピューターを使って太陽光の量に応じて、与える液肥量やハウス内の温度、CO2濃度を制御する。与ええる水を少なく水ストレスにして、果物の様な糖度の高いトマトができあがる。
付加価値の付いた甘いトマトは高値で販売される。大変なコストに、そしてその努力に頭が下がる。美味しいんだろうなぁ、きっと。でもカナダでは買えないなぁ。
流通技術も良くなってるし、バカみたいな関税の貿易戦争がなければいつかカナダでも食べられるのかなぁ。
でも普通に露地で作られたトマトでいいな。すこし酸っぱいぐらいでちょうどいいよ。

スターバックスが紙のストローをやめて生分解するバイオマス90%のストローに戻すという。
使い捨てのストローを使わないという選択肢はないらしい。生分解するから…という記事はたくさん発信している。生分解のストローは海水中で約90日でほぼ原形をとどめなくなるとうたっているけれど、画像を見る限りでは90日ではまだかなり原形を保っているよ。主観の問題だね。
使い捨ては便利だよね、でも全部ゴミになるよね。現代の衛生的な生活の中で使い捨てのすべてを排除できないだろうことはわかるよ。自分だってできないもの、でも減らすことはできるんじゃないかな。
「僕らに今できること、それだけで全てが変わらなくたって…」

「例外のないものはない」という真理にも例外があるのかと子供のころから思っていた。自然界の万物に例外はあるのかないのか…。
読んでいた本の中に少しはましなフレーズを見つけた、「人間の作り出したものに例外は無いと思う。」その通りである。

本当はバーボンを飲みたいのだけれど、トランプ推しケンタッキーのウィスキーを買うのも今のカナダでは気が引けて…。
シチリアのオーガニックのNero D'avolaを飲んでいたら、少し酔っぱらったみたいです。

2025年3月23日日曜日

カルガリー動物園

 子供たちが小さかった頃ですらあまり行ったことがなかった動物園だけど、季節を変えていく機会ができました。訪れる時期で印象がずいぶんと変わるものだと思ったので記録しておきましょう。

ボウ川の中州、セントジョージ島とその北岸に位置する動物園は東京ドーム10個分ほどの広さがあります。その保全研究に関して世界的にもトップレベルにあると認識されている動物園です。メインの入り口は北側のC-トレインの駅にあります。

冬の期間は朝に一度ペンギンパレードがあります。入り口を入ったすぐのペンギンプランジでオウサマペンギンのお散歩を間近で見ることができます。

ワイルドカナダのエリアにはロッキーでおなじみのシロイワヤギやビッグホーンシープの他にクマやオオカミ、トナカイにジャコウウシにバッファローなどが見られます。
鳥のケージの中には3羽のカラフトフクロウと2羽のシロフクロウがいます。


2023年に新しくオープンしたシロクマの展示には2頭がいましたが、夏に訪れたほんの数日前に1頭が死んでしまいました。広い敷地を歩いているのは残されたSikuです。

夏の間は暑すぎるのか日陰でおとなしくしていてよく見えない動物たちも冬には活発に行動してくれるようです。
小さな子供用のプレイゾーンのすぐ横にはムース。メスのムースが2頭います。

水の中を泳ぐ動物たちの展示にはプールが作られています。カワウソがすぐ横を泳ぎます。
(これは夏の写真ですね。)

ユキヒョウの主なアジアエリアにありますが、なぜかクマの展示の横にもいました。クマが冬眠中だからでしょうか。
ユキヒョウは夏に来たら穴の中で寝ているばかりで姿は見られません。

ワイルドカナダエリアのゲートやフェンスに付けられている飾りがかわいらしい

ボウ川を渡る時にハクトウワシが飛ぶのを見つけました。

ペンギンは夏には外にもいるのですが、冬はお散歩以外は室内のみの様です。
フンボルトペンギンの中に妙に人懐こいのがいます。きっと近づいてくれますよ。

他にもアフリカエリアやアジアエリア、熱帯の動物や植物園などがあります。一日ゆっくりと楽しむこともできますね。

夏に訪れた時は恐竜ツアーのオプションだったのでプレヒストリックパークの画像も…。
トリケラトプス

ティラノサウルスの親子

カルガリーのダウンタウンのビルと恐竜

2025年3月3日月曜日

アニバーサリー

 「今日はなんの日?」
「うちには女の子いないしなぁ~」
「ブッ飛ばす…」

一度だけそんな会話をしたことがある

会いたいよ
話したいことがたくさんある

リクのこと
ユウのこと
僕のこと

結婚記念日だけど、独りで呑むよ
ワインをあけるのはやめようかな、明日は早いしね。






ある雪の日の観光

 冬に観光していれば晴れの日ばかりなわけもなく…
今朝は雪、しかも結構降ってるし積もってる…
1/18の画像と比べてみてね。

出発前のホテル

ここまではっきりと雪が降ってると観光箇所の時間割が難しいよね。
…ということでバンフの看板。

キャッスル山は雪に霞んで見えず、まっすぐな道へ行く。
ほとんど車の通っていない道はきれいに雪に覆われてます。

雪降るレイクルイーズではもはや定番のハートを描く。
ちなみにお客様は男性二人。

駅にも行ってみる。写真を撮って離れたとたん、あっ列車。

クロウフット氷河。
氷河が見えていると力説するガイド、どこだかよくわからないお客様。
まぁしかたないよね。

意外と山が見えたボウ湖。

バンフに戻って昼食、ボウ滝、ゴンドラへ。相変わらず雪が降る。

昨日、空港から来てホテルに入る前にカスケードガーデンだけ寄って写真を撮る。よかった、寄っておいて。

最後にフードゥーへ。

どんな人生にも雨の日はある。雨も降れば雪も降る。
きっと晴れることもあるさ…
楽しんでもらえたなら幸いである。

今日は結婚記念日。
明日も早いことだし飲みすぎないように気をつけよう~

2025年2月27日木曜日

朋有り遠方より来る 2月12日~20日

高校時代の同級生が遊びに来ました。コロナ禍の直前にも来ていましたし、日本帰省でも会ったので久しぶりの再会というほどでもありませんでしたが…。

2月15日
クロスカントリースキーに行きました。以前冬に来た時にはレイクルイーズでしたので、足慣らしはエメラルド湖へ。

とはいえお天気も良かったのでレイクルイーズに寄り道します。

2月の上旬は冬らしい気温に下がっていたので今シーズンはアイスマジックの氷の彫刻が残っていました。このフクロウかわいい。

エメラルド湖畔でのクロスカントリースキー。湖の半周分ぐらいはトラックセットもされていて快適に滑ることができます。
まあ初心者なのでのんびりと滑ってきました。
帰り道にキャッスル山を撮る。ボウ川の側は前回撮っているので今回は道路から。

2月16日
翌日もクロカン、今年6月にG7サミットが行われる予定のカナナスキスへ。友人滞在中唯一の雪降り日。さわやかな空気の中、綺麗にトラックセットされたトレイルを滑る。この日は多少の上り下りをいれて楽しみました。食事はインフォメーションセンターの暖炉のあるラウンジで家で焼いたパンのサンドイッチ。

2月17日
ジョンストン渓谷へ氷の滝を見に行くことにした。本当はアイスクライミングを体験したかったらしいが…。
混雑する前にアッパーフォールまで歩く。アイスクライマーたちを眺めた後は、ツアーでは行ってくれない場所へ。
ここは絶滅危惧のアマツバメの繁殖地で夏は立ち入り禁止になります。
氷の中を滝の水が流れる様子が見られたり、氷の裏側に潜り込むこともできたりします。
裏側から出てくるときに若干濡れたつるつるの氷で見事に滑って転びました。

昼食はおにぎりとカップラーメン。-7℃の外気温も気にならない日差しの暖かさ。
こんな景色の中、大陸横断鉄道が走り抜けていきました。撮れなかったけど。

帰り道におまけでスノーシューを少し。今冬は雪が少ないのだけれど、あまり人が来ない湖の上はシューで歩くのが楽しい。

スキーレンタルに行くまでの時間調整にもう一ヶ所、氷の滝へ。
こんな場所に来たのは何十年ぶりかなぁ。

2月18日は私に所用があったので独りでスキーに行ってもらいました。

2月19日
友人滞在の最終日は、息子に渡したいものがあったし、カルガリーへ。初めて“飛ぶ”ことにしました。
小さいころからのひそやかな夢だったスカイダイビング。実現はなかなか難しそうですが、これならいけそう…ということでインドアスカイダイビングへ。自分が飛んでる写真は無いんですけどね。ここの業者の手違いでいまだ送られてこない。

そして 息子に会いに行ったショッピングモールで釣り道具屋さんへ。次はフライフィッシングをやりにくるらしい…。

ツアーの仕事が少なくてふさぎ気味でしたが、良い気分転換になりました。毎晩吞んだくれていましたしね。ありがとう、ぜひ同窓会を実施してくれ。

追記:遅れていたビデオが届きました。



2025年2月10日月曜日

Dawn of Life 2月1日

 カナダに来たばかりの頃、しばらくトロントに暮らしていました。仕事もなく、生活に慣れようと街をうろつきまわっていたように思います。ROMはその時に一度訪れているはずです。残念ながら記憶には何も残っていませんが…。

Royal Ontario Museum(王立オンタリオ博物館)
トロント大学の近くにあるこの博物館には世界各地の芸術、文化、生物種の多様性、恐竜を含む古生物化石など、自然史についての展示があります。
2021年に新たに古生代までの時代に注力した新しい展示が開設されました。“Dawn of Life” です。ロッキーで馴染み深いバージェス頁岩の貴重な展示が見られます。
ぜひ訪れてみたかったROMの古生物たちの展示を少しご紹介します。

クリスタルと呼ばれるブロア通り側の入り口は改装の為に利用できません。クィーンズパーク側から入ります。特別展示のアウシュビッツ展のせいか入り口には金属探知機の保安検査所が設置されていて、オープン時間から行列していました。

入口のホールに鎮座しているフタロンコサウルス

2階の“Dawn of Life”の展示に向かいましょう。

Willner Madge Galleryとも呼ばれるこの新しい展示は、古生代のころまでに起きた生物学的な進化の大きな出来事を12のシーンに区分して展示しています。
ダンクルオステウス頭部のレプリカと一緒に解説盤が入り口にあります。

ストロマトライト、光合成と酸素の発生
シアノバクテリア(光合成細菌、藍藻類)が作りだした層状の塊。現生のものはオーストラリアのシャーク湾のものが知られています。30年ほど前のNHK特集「生命40億年はるかな旅」で紹介されていましたね。
カナダでも化石状態のものは見られるのですね。北西準州で見つかったストロマトライトに触れます。

ミステイクン・ポイント(Mistaken point Ecological Reserve
ニューファンドランド島にある世界遺産。およそ5億8千万年前のエディアカラ生物群の化石が見られます。キャベツやら妙なニックネームが付けられていました。

バージェス頁岩
今もROMの研究者たちは毎年ロッキーを訪れて化石の採掘を行っています。豊富な収蔵化石の中から素晴らしいバージェス生物群の化石を見ることができます。

フィールドのインフォメーションでもティレル博物館でもバージェス頁岩の化石を見ることはできます。しかし標本の豊富さでROMにはかなわないのでしょう。

マーレラ(Marrella)のこんなにきれいな化石は見たことがありませんでした。

ピカイア(Pikaia)の展示模型
拡大鏡のところにあるピカイアの実物化石

フィギアと共に展示されているハルキゲニア(Hallucigenia)
このフィギアが欲しい。

オパビニア(Opabinia) 
奇妙奇天烈と表現されるバージェス動物群の代表的な一つ。5つの目と伸びた口吻は現生の生物に見られない変わった特徴です。

ワプティア(Waptia)の化石には身体の中に卵が見られます。

日本人研究者の大澤果那さんが調査した新種 𝘜𝘳𝘴𝘢𝘤𝘵𝘪𝘴 𝘤𝘢𝘮𝘰𝘴𝘢 が展示されていました。

そしてアノマロカリス(Anomalocaris)
この化石標本のレプリカがティレル博物館にあります。左下にはエビと間違えられた触手とクラゲと間違えられた口吻も展示されています。
 これらの常設展示の前にはタッチパネル式の説明デバイスがあります。展示化石の詳細な画像を拡大してみたり、展示にはないイラストの復元図などが見られます。

古生代の海の生物化石を展示するコーナー

Anticosti Island(4億4千7百万年-4億3千7百万年前 オルドビス紀)、
Miguasha National Park(3億8千万年 デボン紀)、
Joggins Fossil Cliffs (3億1千万年前 石炭紀)など、カナダ東部の世界遺産の場所は動画による説明が見られます。

多種多様な三葉虫の化石
オンタリオ産の化石も多数展示されています。

ダンクルオステウスの幼体の頭部化石。触れるなんて…
成体のレプリカ

展示ホールの様子

この後は古生代後期の石炭紀やぺルム紀に植物や両生類が地上に進出する様子などの展示があります。“Dawn of Life”を抜けると恐竜の時代へ。
この辺りは改装中で隙間風も入り込んでましたね。一昨年日本に行っていたはずのZuulも帰ってきていると思ったのですが、展示はありませんでした。
ティレルでは見ない恐竜たちもいくつか展示されています。

オヴィラプトルの骨格と巣
卵を温めていただけなのに卵泥棒と名付けられたかわいそうな恐竜ですね。

デイノニクス
白亜紀前期の獣脚類。時代が違うのでやはりティレルにはいない。ジョン・オストロムの恐竜温血説のきっかけになった恐竜。

T.レックス
改装中のエリアでは標本に近づくことはできず、にプラットホームから眺めるだけ。

バージェス動物群の充実ももちろん“Dawn of Life”の展示は見ごたえ十分でした。ガスペやニューファンドランド、ノバスコシアに行ってみたくなりました。

階段の吹き抜けに展示されているトーテムポールも圧巻です。

博物館をゆっくり見学するのは楽しいですね。ナイアガラを見に行ってROMを訪れる方は少ないのでしょうが、ここは一見の価値ありだと思います。