2025年9月12日金曜日

言葉だけの撮影案内⑥ タカカウ滝

 ヨーホー国立公園にあるタカカウ滝。エメラルド湖と一緒に訪れたいところですけど、やっぱり駐車場が大混雑します。また、途中にあるスイッチバック道路の急カーブが狭くて通行にはコツが必要です。
最近は日本の旅行会社の観光から外されることが増えてきています。駐車場の混雑とスイッチバックの通り辛さを理由にバス会社が行程を拒否するから…。

まずスイッチバックの説明から。
ヨーホー・バレー・ロードのハイウェイから約6kmの地点にある2つの急カーブ上り。7m以上の全長がある車両は、Rの小ささとカーブ前後の高さの落差の為に2つ目のカーブを曲がることが物理的にできません。
大型バスや大型のRV(キャンピングカー)は2つのカーブの間をリバース(バック)で走る必要があります。大型車がスイッチバックをしている間は一般の車は待機してあげなければいけないのですが、一般観光客にそんな配慮はなく、スイッチバックしている大型車がいてもカーブに入り込んできますし、スイッチバックに必要なカーブの奥のスペースに停車してしまったりします。
大型車が曲がれない2つ目のカーブは一般車も切り返すことが多いですね。上っていくときには上から降りてくる車がいるかどうかはわかりません。クラクションを鳴らして注意喚起しておいて左車線にはみ出しながらふくらんで右に曲がると一度でカーブを曲がれます。
下りの時は下から上ってくる車が見えますからカーブの少し上の道路幅が若干広い場所で待機して車が途切れてから一気におります。

という具合でたどり着くまでにまずコツがいります。ようやくたどり着いても駐車場の混雑で停める場所がないかもしれません。
ここにはバックカントリーに入るキャンパーたちが停める宿泊者用の駐車場もありますが、日帰り観光の車はこちらの方に停めてはいけません。

でも裏技的に車を停めて滝を見に行く方法が一つあります。もし駐車場が一杯で停められなかったら、700mほど道路を戻るとユースホステルが右側にあります。この入口付近の路肩はハイキングの車がよく停まっています。この路肩に停めます。ユースホステルの駐車場ではありません。ユースホステルの方に入るのではなく、あくまでも道路の路肩です。
ユースホステルとは反対側にトレイルが見えます。このトレイルを500mぐらい歩くと滝に向かう舗装歩道の橋のところに出ます。

あとは普通に滝の景色を見に行くだけです。橋を渡って少し歩くと滝のしぶきがミスとになってかかり始めます。滝に近づくときはウィンドブレーカーかレインジャケットを持っていきましょう。

もう一つ、スイッチバックを無事に過ぎたら約3km先に大きな雪崩の跡を横切ります。この辺りはマーモットが良く現れます。岩の上に寝そべっている姿が見られるかもしれません。
保護色をしているので運転しながら見つけるのは難しいかもしれませんけど…。

2025年9月2日火曜日

言葉だけの撮影案内 番外

 思いつくがままにこの時期(9月の中旬をイメージ)に自分だったら撮りに行く場所を挙げてみます。斜光と黄葉の季節だから、朝と夕方がやはりきれいかなぁ。

基本的にカナディアン・ロッキーの景色を構成している要素は、山と氷河と湖(河)と。
要素が増えると構図がまとまりやすくなります。そこに季節と時間による光の変化、さらには天候による変化が加わります。雨が降ったとしても、曇っていてもここはきれいなのさ。

・キャンモアのベンチランド・テラスから見るランドル山の朝焼け
南北に延びる谷にあるキャンモアはこの時期、特に朝焼けがきれい。朝日指す山もいいけど、雲があったら、東の空が赤く焼けます。

・ツージャック湖から見るランドル山の朝焼け
この季節の朝の湖は鏡のように景色を映すところが多い。朝焼けのランドル山が映る…と思う。

・ラクストン博物館前のボウ川に映る朝のカスケード山
観光に出かける前にお客様が少し早くいらしたら、寄っています。川面に映る朝のカスケード山、いいですよ。

・バンフ・パークロッジの裏のボウ川遊歩道
パークロッジに泊まるならぜひ。このホテルにお客様を案内するのに朝の遊歩道散策を勧めないガイドは信用できないね。

・カスケード山と一本アスペン
カスケード山の見えるミドウ(草地)に一本だけ黄葉するアスペンの木があるんです。
単に好みの問題です。この景色が好きです。

・セカンド・バーミリオン湖から見るランドル山の夕焼け
同じ景色は朝もきれいです。朝は逆光のランドル山、夕は赤く焼けるランドル山という違いだけ。

・ミュール・シューとヒルズデイル・ミドウの黄葉
アスペンやポプラなど黄葉する樹が多い場所です。少し歩けます。ゆっくりと散策するのに良いですね。

・モランツ・カーブから見るテンプル山の朝焼け
鉄道写真を撮るのに人気の場所。列車が来なくてもその景色は絵になります。朝、または午前中に行く方がいい。

・早朝のハーバート湖の映り込み
秋のカナディアン・ロッキーの代表的な景色でしょうね。道路から見る映り込みがきれいです。車に気を付けて!

・93号線、サスカチュワン・リバー・クロッシングからコールマン山のピクニック・エリア間の黄葉
車を停めて眺めるような場所がないんですよね。ピクニック・エリアでお弁当食べながらシロイワヤギを探しましょう。

・アブラハム湖、ついでのクレッセント滝
観光ツアーではまず行かないところ。アブラハム湖のターコイズ・ブルーとアスペンの黄色がきれいです。スバルのフォレスターのコマーシャルに登場するクレッセント滝は昨年歩道階段を新しくしました。

カナナスキス・トレイル(40号線)とカウボーイ・トレイル(22号線)
ここも観光ではあまり通りませんね。40号線を南に通り抜けるとビーフジャーキーで有名はロングビューで22号線にぶつかります。北上してダイヤモンドバレー、ミラービル、プレディスを経由してブラッグクリークへ。バンフに戻るなら一日がかりのドライブですね。
この時期はポプラの黄葉が綺麗です。
ダイヤモンド・バレー(旧ターナー・バレー)にはオークレア・ディスティラリーがあります。クラフト・ジンやサボテンのお酒を造っているマイクロ・ディスティラリーのはしりです。

言葉だけの撮影案内⑤ カナナスキス

 カナナスキス・カントリーはかつてバンフ国立公園の一部であった場所です。アルバータ州の管理のもと、自然保護地域や州立公園、レクレーションエリアがあります。
今年の6月にはG7サミットの会場にもなりました。
バンフ国立公園の3分の2ほどの広さのカルガリーの奥座敷です。範囲も広く日本の旅行会社のツアーで訪れる場所も多くはないので、私も詳しいといえるほどではありません。
また、カナナスキスのエリアで過ごすためには、入場料に相当するコンサベーション・パスを購入する必要があります。オンラインで購入するのが便利です。行ってきた後でもその日のうちに支払いをすればよいので慌てることもありません。

9月中旬から10月中旬にかけての黄葉の季節には40号線をドライブしてみるのもいいですね。おすすめの場所を2か所載せてみます。
もっと奥のハイウッド・パスのエリアまで行くとカラマツの黄葉が見られます、付近の駐車場はやはり一杯でしょうけど…。

バンフから約50km東、一号線から40号線(カナナスキス・トレイル)に入ります。最近ショッピング・モールの建設計画があるようですね。カジノホテルやガソリンスタンド、ティム・ホートンもあります。

・バリア・レイク・トレイル
一号線のジャンクションから約11km。バリア・レイク・ダムを通り過ぎた先にバリア・レイクピクニックテーブルの看板があります。右にハイウェイを降りるとさらに右にボートを下せる湖畔に下る道との分岐があります。直進してカーブしながら上ると駐車場へ。奥のトレイルを上ると谷を見渡せる場所に出ます。
バリア湖周辺はアスペンなどポプラの仲間の木が多く黄葉がきれいです。

・ウェッジ・ポンド
一号線のジャンクションから約30km。カナナスキス・ビレッジへの分岐、バウンダリー・ランチ、カナナスキス・ゴルフコース、マウント・キッドRVパークを過ぎた先の左側にあります。バリアレイク同様にAlberta Parksのピクニックテーブルの看板があります。
駐車場からすぐ水辺に出られます。
ここはぜひ夜明けの頃に訪れたいです。池の周りの黄葉と西側にそびえるキッド山に朝日が当たる景色はとても美しいです。

この時期の晴れた日にはイヌワシに代表される猛禽類の渡りが見られます。双眼鏡やスコープがないと見えないでしょうが、この時期はナキスカ・スキー場近くのヘイ・ミドウで調査をしている人たちがいますから、そこに行くとスコープをのぞかせてくれます。