2025年9月2日火曜日

言葉だけの撮影案内 番外

 思いつくがままにこの時期(9月の中旬をイメージ)に自分だったら撮りに行く場所を挙げてみます。斜光と黄葉の季節だから、朝と夕方がやはりきれいかなぁ。

基本的にカナディアン・ロッキーの景色を構成している要素は、山と氷河と湖(河)と。
要素が増えると構図がまとまりやすくなります。そこに季節と時間による光の変化、さらには天候による変化が加わります。雨が降ったとしても、曇っていてもここはきれいなのさ。

・キャンモアのベンチランド・テラスから見るランドル山の朝焼け
南北に延びる谷にあるキャンモアはこの時期、特に朝焼けがきれい。朝日指す山もいいけど、雲があったら、東の空が赤く焼けます。

・ツージャック湖から見るランドル山の朝焼け
この季節の朝の湖は鏡のように景色を映すところが多い。朝焼けのランドル山が映る…と思う。

・ラクストン博物館前のボウ川に映る朝のカスケード山
観光に出かける前にお客様が少し早くいらしたら、寄っています。川面に映る朝のカスケード山、いいですよ。

・バンフ・パークロッジの裏のボウ川遊歩道
パークロッジに泊まるならぜひ。このホテルにお客様を案内するのに朝の遊歩道散策を勧めないガイドは信用できないね。

・カスケード山と一本アスペン
カスケード山の見えるミドウ(草地)に一本だけ黄葉するアスペンの木があるんです。
単に好みの問題です。この景色が好きです。

・セカンド・バーミリオン湖から見るランドル山の夕焼け
同じ景色は朝もきれいです。朝は逆光のランドル山、夕は赤く焼けるランドル山という違いだけ。

・ミュール・シューとヒルズデイル・ミドウの黄葉
アスペンやポプラなど黄葉する樹が多い場所です。少し歩けます。ゆっくりと散策するのに良いですね。

・モランツ・カーブから見るテンプル山の朝焼け
鉄道写真を撮るのに人気の場所。列車が来なくてもその景色は絵になります。朝、または午前中に行く方がいい。

・早朝のハーバート湖の映り込み
秋のカナディアン・ロッキーの代表的な景色でしょうね。道路から見る映り込みがきれいです。車に気を付けて!

・93号線、サスカチュワン・リバー・クロッシングからコールマン山のピクニック・エリア間の黄葉
車を停めて眺めるような場所がないんですよね。ピクニック・エリアでお弁当食べながらシロイワヤギを探しましょう。

・アブラハム湖、ついでのクレッセント滝
観光ツアーではまず行かないところ。アブラハム湖のターコイズ・ブルーとアスペンの黄色がきれいです。スバルのフォレスターのコマーシャルに登場するクレッセント滝は昨年歩道階段を新しくしました。

カナナスキス・トレイル(40号線)とカウボーイ・トレイル(22号線)
ここも観光ではあまり通りませんね。40号線を南に通り抜けるとビーフジャーキーで有名はロングビューで22号線にぶつかります。北上してダイヤモンドバレー、ミラービル、プレディスを経由してブラッグクリークへ。バンフに戻るなら一日がかりのドライブですね。
この時期はポプラの黄葉が綺麗です。
ダイヤモンド・バレー(旧ターナー・バレー)にはオークレア・ディスティラリーがあります。クラフト・ジンやサボテンのお酒を造っているマイクロ・ディスティラリーのはしりです。

言葉だけの撮影案内⑤ カナナスキス

 カナナスキス・カントリーはかつてバンフ国立公園の一部であった場所です。アルバータ州の管理のもと、自然保護地域や州立公園、レクレーションエリアがあります。
今年の6月にはG7サミットの会場にもなりました。
バンフ国立公園の3分の2ほどの広さのカルガリーの奥座敷です。範囲も広く日本の旅行会社のツアーで訪れる場所も多くはないので、私も詳しいといえるほどではありません。
また、カナナスキスのエリアで過ごすためには、入場料に相当するコンサベーション・パスを購入する必要があります。オンラインで購入するのが便利です。行ってきた後でもその日のうちに支払いをすればよいので慌てることもありません。

9月中旬から10月中旬にかけての黄葉の季節には40号線をドライブしてみるのもいいですね。おすすめの場所を2か所載せてみます。
もっと奥のハイウッド・パスのエリアまで行くとカラマツの黄葉が見られます、付近の駐車場はやはり一杯でしょうけど…。

バンフから約50km東、一号線から40号線(カナナスキス・トレイル)に入ります。最近ショッピング・モールの建設計画があるようですね。カジノホテルやガソリンスタンド、ティム・ホートンもあります。

・バリア・レイク・トレイル
一号線のジャンクションから約11km。バリア・レイク・ダムを通り過ぎた先にバリア・レイクピクニックテーブルの看板があります。右にハイウェイを降りるとさらに右にボートを下せる湖畔に下る道との分岐があります。直進してカーブしながら上ると駐車場へ。奥のトレイルを上ると谷を見渡せる場所に出ます。
バリア湖周辺はアスペンなどポプラの仲間の木が多く黄葉がきれいです。

・ウェッジ・ポンド
一号線のジャンクションから約30km。カナナスキス・ビレッジへの分岐、バウンダリー・ランチ、カナナスキス・ゴルフコース、マウント・キッドRVパークを過ぎた先の左側にあります。バリアレイク同様にAlberta Parksのピクニックテーブルの看板があります。
駐車場からすぐ水辺に出られます。
ここはぜひ夜明けの頃に訪れたいです。池の周りの黄葉と西側にそびえるキッド山に朝日が当たる景色はとても美しいです。

この時期の晴れた日にはイヌワシに代表される猛禽類の渡りが見られます。双眼鏡やスコープがないと見えないでしょうが、この時期はナキスカ・スキー場近くのヘイ・ミドウで調査をしている人たちがいますから、そこに行くとスコープをのぞかせてくれます。

2025年9月1日月曜日

言葉だけの撮影案内④ エメラルド・レイク

 この辺りの観光地の駐車場の中でここが一番状況が悪いかもしれません。
駐車場は朝のかなり早い時間で一杯になってしまうでしょう。それ以降は国立公園の係員がいて、やってくる車を駐車場の入り口でUターンさせています。駐車場に停められなかった車は路肩に停めるしかないわけです。
このレイバーデイの連休中日(8/31)午前11時ぐらいで、この路肩駐車は駐車場から約2km先まで続いていました。
ちなみに今年の6/10に花を撮りに行ったときには、午前8時過ぎに着いて残り5つ、何とか無事に停めることができました。

ここもレイクルイーズやモレーン湖と同様にツアーの車で行くことが望ましいかもしれません。

エメラルド湖は湖畔を一周歩くことができます。5.2㎞のトレイルは起伏も少なくて、植物種もバンフと違うので半日ぐらいかけてゆっくり歩くのにとても良いところです。
湖畔にはエメラルド・レイク・ロッジがあってレストラン、ラウンジで食事ができますし、スナックやドリンクのテイクアウトをしているところがあります。
ロッジに向かう橋のたもとにはカヌーレンタルをしているお土産屋さんもあります。
カヌー体験もおすすめではありますが、今年はいつ見ても行列しています。

通常の観光では約30分の滞在で写真を撮ります。
駐車場から湖畔を時計回りに400mほど歩いた雪崩の跡まで案内するガイドが多いでしょうかね。ここから見た湖とバージェス山の景色は1954年の$10紙幣のデザインになっています。

こちらに向かって湖畔を歩くとすぐにピクニックテーブルがあります。ここにバージェス頁岩世界遺産の碑と解説があります。ここで湖畔に降りると写真が撮り易いです。

反対側のロッジに向かう橋は観光客が多すぎて写真は撮りづらいですね。橋を渡ってそのままロッジに向かって進むと緩やかな傾斜を上ります。道都が大きく右にカーブする辺りで湖を見下ろすと名前の通りエメラルド・グリーンの湖面がきれいに見えます。あえて周りの山を入れずに湖面だけをズームして撮ることをお勧めします。

ここを過ぎたら左に上る歩道の階段を通ってメインロッジ前に行きます。
メインロッジを過ぎてさらに進みます。左手にファイヤーピット(焚火をする場所)、客室棟をひとつ過ぎたら、左側にビューポイントがあります。ここからは湖とバイスプレジデント山と氷河が眺められます。宿泊客以外の観光客はあまり来ませんから落ち着いて写真が撮れます。
短い時間で写真を撮るならば、こんなところでしょうか。

バンフ周辺の観光地は基本的に標高が高いので、カエデの木を見ることがありません。
エメラルド湖は海抜1300mほどなので自生するカエデが見られます。メインロッジの近くのラグーン側がわかりやすいでしょう。