「今年のヒーリーはいつ頃だろうか?」
ヒーリー・パスを中心とした標高の高い草原が黄色のカタクリの花で埋め尽くされる様子はいかにも日本人が好む“お花畑”そのものの景色です。雪解けの直後から開き始めるカタクリの花々が満開を迎えるのはいつなのか?
カタクリの群生は日本でも人気がありますし、日本人は同種の花がたくさん集まって咲く景色が好きなようですね。
英語での名前はGlacier Llily、Yellow Avalanche Lily、Dogtooth Violet、Trout Lily、Fawn Lilyなど。
古くから食用や薬用に利用されていたせいか、いろいろな名前で呼ばれていますね。“氷河のユリ”や“雪崩のユリ”という名前が、ここカナディアン・ロッキーではしっくりきます。
Dogtoothの名前はヨーロッパで見られる同属の花で、鱗茎の小片が“歯”の様に見えることから名付けられたとか…。
Trout、Fawnはそれぞれ“マス”と“小鹿”の意味で、葉にできる斑模様をそれぞれの模様に例えているようです。
学名: Erythronium grandiflorum
Erythroとはギリシャ語源で“赤色”の意。種小名は“大きな花”という意味です。
和名のカタクリは鱗茎の小片が栗に似ていることとか、万葉集に載る大伴家持の歌にある“堅香子”が転じたものだとか、所説があります。
世界中に約20種があるようですが、アルバータ州で見られるのはこのgrandiflorumの1種だけです。
7~8年の生育期間を経て、2枚の葉が育つとようやく花をつけると言われます。
日本のカタクリほどではありませんが、雄蕊は3本づつ長さが違います。
日本のカタクリは栄養繁殖はしないとWIKIにありますが、大きな群落を作ることも珍しくないので種子で増えるだけでなく、栄養繁殖も行われていると思います。
夜には花を閉じ、昼に下向きに花を開き、外花被片が上に反り返ります。花被片や雄蕊、雌蕊は紫外線を吸収しやすく、マルハナバチやチョウの複眼に見つけやすくなっています。
下向きに花を開く理由は雨などで中心部を濡らさない為、花粉を運んでくれるハチやチョウなどの虫には入りやすく、送粉にかかわりのない虫が入りにくいようにする為です。
雄蕊の白い花と赤い花がありますが、赤い方が若い個体なのだそうです。
スプリング・エフェメラルと呼ばれ、雪解けと共に花を開きます。マルハナバチの女王蜂はこの花から得た栄養で巣を作ります。夏には枯れてしまう葉は林床の他の植物たちに燐を還元する役割をしています。
草原の群生地も見事ではありますが、森の中に静かに咲いているカタクリが好きです。
7月3日 追記
花の時期を終えたカタクリの葉は黄色く枯れ始めます。
そして花は実に…。
Glacier Lilyの葉っぱ、あんなに特徴的なんですね?マスや小鹿、なるほど!!
返信削除日本人は確かに同種の花が沢山あると、ワーと感動するかもしれないです。
個性的より統一感が好きなんですかねー。(笑)
ひっそりと咲いているカタクリを見つけられたら、得した気分になりそうですね!!
グレーシャー・リリーでは、ほとんどの葉っぱは斑入りではありませんよ。北米では東部にあるカタクリの仲間が主にトラウト・リリーと呼ばれてます。
削除確かにヒーリーの群生は見事なものですよ。昔の画像しかないので載せてませんけど…。今年は例年より一ヶ月ぐらい早く満開みたいです。
名前の話、繁殖の話、他の植物へのリンの還元の話・・・。
返信削除勉強になります。
ガイドネタを探しているとサイズや分類の解説だけじゃないことに興味がいくんですよね。
削除いいね。図鑑シリーズ。す~っと読めない漢字や、アルファベットも、覚えられないけど、真剣に読んじゃうよね。
返信削除個人的には、花弁は、とんがってるのより、丸みを帯びているそして、小さな花が好きですが、この黄色のカタクリの群生には、生命力を感じるし、ひっそりと咲いているのには、けなげさを感じるな~。
今年は、すでに、ヒーリーも、満開時期に突入見たいですね。。まだ、一回しか行ったことないけど、そして、私が行ったときは、ピークをすこし外してたけど、壮大な景観に、可憐なカタクリが、これでもか~。って感じだった。自然の景観に感動するのって、体の芯の生命エネルギーが震える感覚? 特別です~。
いつまで続くかなぁ~。
削除ヒーリーのカタクリの群生については綺麗だと思うし、素晴らしいとも思う。機会があれば行って見るのだけれど、実はあまり興味がないんだよね。オーロラと同じで…。